人類はいつから食べ物に火を通すようになったのか。どうして肉を焼くのか
 この記事は近々リライト予定です。それまでは、文字だらけの少々味気ない記事のままですが、良ければぜひご覧になってください。

何とも美味しそうなお肉(アイキャッチ画像のやつです)。こんな贅沢なものにはあまりお目にかかれませんが、私たちは日々多くの食べ物を口にします。なかでも「温かい料理」はお腹だけでなく心をも満たしてくれる素晴らしい発明品です。

そんな料理が作られるキッチンで、フライパンの下から青い炎がちらちらと顔を覗かせるのを見たチビッ子は、ふと疑問に思うかも知れません。「どうして火を使うんだろう...」。そんな素朴な疑問に答えるのは、そう難しいことではないでしょう。「美味しくするためだよ」と。しかし、こんな風に続いたらわかりません。

人っていつからお料理するようになったの?

さて、これにはなんと答えればいいでしょうか。実を言うと、この疑問には未だ明確な答えが存在していません。少しずつ解明されてきてはいますが、その答えを明らかにすること自体不可能ではないか、という声すらあります。

ですが、そんなことを言われてもチビッ子は納得しないでしょう。きっと、ふくれっ面で手足をバタバタさせながら駄々をこねます。最近の子は賢いのでしないかも知れませんが。

そこで今回は、「火と肉」にスポットを当てた、「料理の起源」のある一つの仮説をご紹介しようと思います。それによればきっと、無邪気な好奇心を満足させることができるでしょう。人類はどうして、いつから食材に火を通すようになったのか。飽くまで仮説の一つであることをご理解の上でご覧くださいね。

食材に火を通すとどうなるか

そもそも何のために食べ物を加熱するのでしょうか。その答えはご存知の通り「殺菌」と「加工」です。私たちは食べ物を熱することでそれがより食べやすく、美味しくなることを知っています。では実際にどんな効果があるのか、それぞれ見てみましょう。

殺菌される

私たち人間はもちろん、ライオンやオオカミ、その他多くの肉食動物を悩ませる大問題が「食中毒」です。壮絶な弱肉強食の様子ばかりが注目されがちですが、ライオンも食中毒に悩まされることがあります。サバンナで腹を壊すなんて考えただけでも恐ろしいですね。

一般に、胃液はpH1~2の強酸性であるとされます。食べ物に含まれる微生物のほとんどは胃液の酸で死滅するのですが、その種類や量によっては殺菌しきれず、結果「食中毒」になってしまうのです。

しかし、そんな食中毒問題を火が解決しました。屍肉には食中毒を引き起こす病原体がわんさといますが、「加熱」によってそれらのほぼ全て(残念ながら100%ではない)を死滅させ、安全な食事にありつけるようになったのです。

屍肉を好むコンドルは食中毒にならないの...?
子供たちの駄洒落によってどこかに食い込まされがちなコンドルですが、本来は恐ろしい大型の鳥です。彼らは消化器系が非常に発達している上、一部の致死性細菌への耐性も有しています。そのため、他の動物が近寄ることすらできないまで腐敗した屍肉を啄(ついば)むことができるのです。

食べやすくなる

私たちの歯と顎は生食に適していません。基本的に生の食材は加熱後のものと比べ硬いため、それらを噛み千切り咀嚼するにはもう少し大きい歯と強い顎がある方が良い、とされています。しかし、加熱した食べ物であれば私たちの歯と顎で十分に噛むことができるのです。

さらに、私たちの消化器系は貧弱ですあ、悪口じゃないですよ?生の食べ物を消化するのにはあまり適していないという意味です。私たちがゴリラと同じような食性の大型類人猿だったとすると、私たちの消化管は必要とされる量のおよそ60%の重さしかありません。消化管の必要量は脳の大きさと食べ物の消化率から割り出されています。

ですがご安心ください。加熱した食材は柔らかくなると同時に、消化が良くなってエネルギーを摂取しやすくなります。そのため、加熱されたものを食べる私たちの消化管は多少短くても問題ないのです。

ある研究によれば、加熱した餌を与えられたマウスは、同カロリーの生の餌を与えられた個体よりも大きく育つそうです。特にイモ類はその違いが顕著で(そもそも生のままでは食べられないものがほとんどですが)、ジャガイモで比較してみると、生の状態では30%ほどしか消化できないのに対し、加熱後ではなんと98%も消化できるのだとか。ポテト恐るべし。

美味しくなる

どうして食べ物を加熱するのか、その答えに一番相応しいのはやはり「美味しくなるから」でしょう。これは言ってみれば本能なのです。何故かはわかりませんが、私たち人間だけでなくサルや大型類人猿たちも、生の食べ物より加熱された食べ物を好むことが明らかにされています。不思議なことです。

メイラード反応
1912年、フランス人科学者のルイ・カミーユ・マヤールがある現象についての論文を書きました。糖類とアミノ酸が加熱によって反応し、茶褐色の化合物を生成する現象です。この反応は彼の名(マヤールの英語読み)から「メイラード反応」と名付けられました。ステーキ、トースト、コロッケ、ドーナツ。加熱した食べ物が美味しくなるのは、この反応のお陰と言っても過言ではありません。

人はいつから料理をしていたか

食べ物を加熱すると様々な効果がある、だから料理をする。それはいいでしょう。ではいつから人類はその恩恵に与っているのか。この問題には多くの仮説とその根拠が存在します。

料理の痕跡から考える

私たちと同じ種(ホモ・サピエンス・サピエンス)が料理をしていたという最古の痕跡は中国にあります。今から2万年ほど前、中国で初めて土器が作られたであろう時代。当時の土器の破片から、加熱調理の痕跡と見られる「焦げ」が発見されたのです。

ホモ・サピエンスラテン語で「賢い人間」の意。25万年前に誕生したとされる。ヒト属で現生する唯一の種、ホモ・サピエンス・サピエンスはその亜種に当たる。

25万年前、ネアンデルタール人は確かに料理をしていました。彼らの遺跡には多くの炉の跡があり、その中から焼けた骨が見つかっているのです。さらに、彼らの歯垢の分析によって、香草で味付けまでしていたことが分かっています。

ネアンデルタール人40万年前から4万年前まで生きていたとされるヒト属の一種。ホモ・サピエンスに滅ぼされたという説もある。

さらに時間を遡りおよそ100万年前、ホモ・エレクトスが生きていた時代にはすでにホミニンが火を使って料理をしていたと考えられています。南アフリカ北部にあるワンダーウェーク洞窟で見つかった植物の灰と焼けた骨がその証拠です。

ホモ・エレクトスホモ・サピエンスとネアンデルタール人の祖先とされる種。小柄でガッチリとした体格が特徴。

ホミニンヒト族の別称(族は分類学における属の上位にあたる階級)。ヒト、チンパンジー、ボノボが現生している。

人類の進化から考える

このように、人類の歴史を推測する際はよく考古学的な証拠が引き合いに出されるのですが、それと同じように重要とされるもう一つの視点があります。生物学です。イギリスの霊長類学者リチャード・ランガムある仮説を提唱しました。

人類は料理することで進化した

180万年前、それまでのホミニンに比べて小さい歯、小さい体、大きい脳をもったホモ・エレクトスが生まれました。ランガムは、その進化の要因に「料理」があった可能性を指摘しています。私たち人類は加熱したものを食べるようになったために、硬いものを噛み千切る大きい歯を不要とし、消化に必要な内臓の量が減ったことで小柄となり、効率良くより多くのエネルギーを得られるようになったことで脳が大きくなったのではないか、そう言うのです。

この説が正しいとすれば、私たちの祖先が料理を始めたのは、およそ190万年前ということになるでしょう。途方もない過去の話ですか、どうやら「料理」は現生人類よりもだいぶ年上のようですね。

最後に

最後までご覧いただきありがとうございます。以上、「料理の起源」についてのお話でした。

私たちの遠い親戚にあたるゴリラやオランウータンは、その体格を維持するために一日のうち9時間ほどを食べて過ごします。しかし、私たちは一日三食の食事に一時間ほどしか掛かりません。人それぞれだけどね!

私たちが限られた人生のほとんどを食事に費やさずに済んでいるのは「料理」のお陰なのです。これからご飯を食べるときには、是非このことを思い出してみてください。そして、いただく命と共に、人類の歴史に感謝して手を合わせましょう。そうすればきっと、食べ物の温もりをより深く感じられるはずです。

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